外来種の侵略!?自然がもたらす脅威。
今や"外来種"というと動物だけでなく植物も問題視されている。『世界の侵略的外来種ワースト100』と言う国際自然保護連合(IUCN)の種の保全委員会が定めた本来の生育、生息地以外に侵入した外来種の中で特に生態系や人間活動への影響が大きい生物のリストがありその中には日本では当たり前の"昆布"も含まれている。
知らないだけで実は自分の身の回りでじわじわと外来種は侵略しつつある。それを感じさせる出来事があった。
鹿児島県伊佐市にある有名な観光地『曽木発電所遺構』。この発電所は明治42年に竣工し、その出力は当時国内でも最大級のものだった。昭和40年に鶴田ダムができ完成と同時に水没してしまった曽木発電所遺構。現在は渇水期である5月から9月にその建物が姿を表す。(渇水期でなくても一部は見えます。)
今年、その曽木発電所遺構がとある外来植物により大変なことになっていたのだ。
まずは去年の10月に撮られた曽木発電所遺構の写真をみてもらいたい。
エメラルドグリーンの川にひっそりと浸かる中世ヨーロッパを連想させるかのような建物。これが曽木発電所遺構だ。
そしてこれが今年11月に撮った写真。
見ての通り一目瞭然。川の色が去年より鮮やかな緑色をしている。なぜ、こんな色になってしまったかというと正体は外来種の水草。"ボタンウキクサ"と"ホテイアオイ"。どちらも観賞用として導入され野生化してしまったもの。
調べてみると今年の夏に発生し除去していたものの追いつかずこうなってしまったのだとか。
さつま町と伊佐市にまたがる鶴田ダムから上流の川までおよそ8Kmにも及んでいる。
自然の生命力、繁殖力を思い知らされた出来事であった。